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深くゆっくり 2※
奥の粘膜を撫でられるたびに、じわじわと熱がこみ上げてくる。
抜き差しの動きは緩やかだけれど、確実に感覚を刺激して──。
「ん、あっ……やぁっ……!」
堪えようとしても、甘い声が喉から漏れる。
繋いだままの佐伯さんの手を、無意識に強く握りしめた。
「大丈夫ですよ。怖くないですから……ほら、深くまで受け入れられています」
「ひっ……あ、あぁ……っ」
羞恥と快感が入り混じり、頭が真っ白になる。
視線を上げると、佐伯さんは落ち着いた笑みを浮かべていた。
「いい反応ですね。──じゃあ少し角度を変えてみましょうか」
ディルドがわずかに持ち上げられ、奥を擦り上げる角度に変わる。
次の瞬間──。
「──っあああぁっ!」
電流のような衝撃が走り、全身が跳ねる。
腰が勝手に浮き、じわっと汗がにじむ。
「上手上手」
「ぅ、や……だめっ……っ」
「いいんですよ。声は我慢せずに出しましょう」
優しい声に理性の堤防が少しずつ崩れていく。
羞恥心が熱に溶け、快楽に翻弄される身体だけが残った。
「うん、ここかな」
「あぁっ……! そこ、だめっ……っ」
ゆっくりだった動きが、急に強く、深く突き上げるようになる。
熱がせり上がり、腰が勝手に跳ねる。
「はっ……くぅ……! や、やぁあ……っ」
「うんうん、気持ちいいですね」
羞恥で耳まで熱くなるが、それ以上に突き上げられる快感が勝り、声を抑えられない。
ぐちゅ、ぐちゅといやらしい音が室内に響き、身体は勝手に痙攣する。
「ぁっ……もっ……でる……っ!」
「はい。遠慮せず、全部出してしまいましょう」
ディルドが一際深く、奥をぐりぐりと押し潰すように擦った瞬間──。
「──っあ、ぁああっ!!」
頭が真っ白になり、全身が痙攣と快感に支配される。
佐伯さんの手を握り続けながら、身体の奥に残る熱と痺れを感じた。
痙攣がようやく収まり、胸の奥がじんわりと温かくなる。
佐伯さんの手を握る力も、徐々に緩んでいった。
「よく頑張りましたね、神木さん」
久我先生の声がそっと耳元に届く。
背中に回された手が毛布越しに優しく撫でられ、温かさが身体中に広がる。
「少し休みましょう。深呼吸して……ゆっくり」
言葉に合わせて息を吸い、吐く。胸の高鳴りが徐々に落ち着く。
「佐伯、タオルとお水をお願い」
「はい、すぐに」
佐伯さんが素早くタオルと水を持ってきてくれる。
汗をそっと拭かれ、ひんやりとした水を口に含み、喉を潤す。
「はぁ……はぁ……」
吐き出す息に混じるのは、余韻の熱と羞恥心。
それでも先生も佐伯さんも否定せず、ただ優しく包み込む。
「ゆっくりでいいですよ。感じることは恥ずかしいことじゃない。体、ポカポカしてるでしょう?」
久我先生の言葉に、心の奥がじんわり温まる。
タオルで汗を拭かれ、毛布に包まれたまま手を握られていると、体の緊張もすっと解け、穏やかな安心感が満ちていった。
「神木さん、今日の治療はここまでです。よく頑張ったね」
「……はい……」
ぼんやりしながらも素直に頷く。
思考がゆっくり戻り、同時に心地よい眠気が襲う。
手足の固定が外され、服を着直す間も、久我先生と佐伯さんの温かい手に触れながら、柔らかな眠りに落ちていった。
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