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第3話

「……っ……びっくりしたー。翔多、おまえ職員室行ってたんじゃ……」 「今、帰ってきたとこ。ほらー、また数学のフジワラに宿題プリントもらっちゃったよー」  例によって例のごとし、数学の小テストの成績が地の底を這っている翔多は、今日もまた数学教師に呼び出され、彼専用の宿題プリントをもらってきたようだ。 「……もうちょっと数学、マシな点数とれるように勉強しろよ」  頭の中で考えていることが透けて見えるわけでもないのに、翔多のエッチなシーンを妄想していた浩貴はなんとなく恥ずかしくて、少しぶっきらぼうな言い方になってしまった。 「ムリムリ。オレの頭は理数系には向かないからー。このプリントもなんとか秘密裏に始末してしまおう」 「また怒られて、余計にプリントもらうはめになるぞ」 「まーまー。それより浩貴、来週の土日って空いてる?」 「え? うん。空いてるけど……」  ドキ、と浩貴の胸が高鳴り、小さな期待が生まれる。  も、もしかして……。 「じゃあさ、オレんとこ泊まりに来ない? 伯父さんと伯母さんが泊まりで旅行行くから、いないんだよ」  そう言った瞬間、翔多の大きな瞳が妖しく輝いたように見えた。  ドキドキと浩貴の胸の鼓動が痛いくらいに高鳴っていく。 「伯父さんも伯母さんも浩貴くんに泊まりに来てもらいなさいって。オレ一人じゃ頼りないからって」 「マジでオレ、泊まりに行っていいのか?」  翔多と二人きりで一夜を過ごす……、それって……。 「うん。浩貴に来て欲しい」  翔多の潤んだ瞳が今度ははっきりと妖しく輝いた。

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