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第12話

「……ん……」  翔多は声を聞かれるのが恥ずかしいのか、両手で口を押さえて声を殺している。  けれども浩貴は彼の甘い泣き声が聞きたい。  浩貴は翔多の体のラインに沿って右手を下へと這わせていくと、下着の中へ入れ、すっかり勃ちあがっている彼のそれを優しく右手で包み込んだ。 「……んっ……っ……」  翔多が小さく呻く。  浩貴が手の中の翔多をゆっくりと擦りあげると、すぐに愛液がにじみ出てきた。 「う、んっ……あっ……」  口を押えている両手の隙間から、こらえきれない快楽の声が漏れる。  それは今まで浩貴が聞いたことがない翔多の声。浩貴の心を甘く狂わせてしまうような……。 「翔多……、すげーかわいい……」  彼の耳元で囁きながら、右手の動きを速めると、 「……っん……ああっ……浩貴っ……」  翔多の体が激しく震え、半分涙声のようなあえぎを零して、浩貴の手の中でイッた。 「翔多……好きだよ」  達したあとの快感の余韻に、翔多の瞳は涙をたたえて潤んでいた。  まだ呼吸も整わず、放心状態といった翔多はすごく色っぽくて、たまらない。  浩貴は翔多のスエットを下着ごと脱がせてしまうと、自らも衣服を脱ぎ捨てた。  浩貴の雄は翔多を求めて天を向かんばかりに勃起している。浩貴は翔多の手を取ると、自分の雄へと導いた。  彼のなめらかな手のひらが昂ぶりに触れた瞬間、すさまじい快感が全身に走り、浩貴は思わず暴発してしまいそうになる。 「……くっ……」  浩貴は歯を食いしばってそれをこらえた。

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