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第15話

 Side.Syouta.    浩貴への思いが恋愛感情だと気づいてから、翔多はとても気になっていることがある。  それは浩貴にエッチの経験があるかどうかということだ。 「浩貴はかっこいいし、モテるからなー」  自分の恋人ながら浩貴は本当にかっこいいと思う。  涼しげな切れ長の瞳、スッと鼻梁の通った形のいい鼻、セクシーな唇。それら完璧なパーツを備えた端整な顔立ちはパッと見た目、冷たげでとっつきにくさを感じさせる。  でも、その冷たそうな第一印象とは違い、彼は本当に優しい。  イケメンな上に、誰にでもさりげない優しさを示せる浩貴は、当然の帰結として女の子にモテる。  翔多は中学の頃から浩貴とは仲良しだが、彼はバレンタインデーや誕生日には山ほどのチョコレートやプレゼントをもらい、度々女の子から告白されていた。  そして翔多の知っている限りでも何人かの女の子と付き合っている。  その付き合った彼女たちとは、浩貴はいったいどこまで関係が進んだのだろう?  キスまで? それともそれ以上?  そんなことを考えると、普段は能天気な翔多も心が痛み、少し落ち込んでしまう。  だから、できるだけ考えないようにしているのだが、それでもやはり気になってしまうのだ。  一方、翔多のほうはというと、キスの経験さえなかった。いや、それ以前に女の子と付き合ったこともない。  勿論、淡い恋心を抱いた女の子は何人かいた。しかし決まってその女の子たちからは友達以上には見てもらえなかった。  その代わり、見知らぬ女の子からよくラブレターをもらったり、バレンタインのチョコレートをもらったりした。  でも、そう言う女の子たちはなぜか翔多を勝手に心の中で理想化していて、素の翔多を知ると、『岡利くんにはがっかり―』と冷たい視線を寄越してくる。  ……そんなわけで翔多はずっと恋愛運には恵まれていなかった。  でも今は、浩貴という世界一魅力的な恋人が傍にいてくれる……。  翔多は浩貴のことが胸がはりさけそうなくらい好きだ。  だから、とても気になってしまうのだ、いろいろなことが――。

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