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第19話

 お風呂からあがると、翔多は冷蔵庫の中からキンキンに冷えた缶ビールを二本取り出して、足音を立てないようにし、浩貴のいる縁側に向かう。  伯母さんが作り上げた乙女チックな庭を見ながら浩貴は座っていた。  斜め後ろの方向から見ても、彼がひどく緊張しているのが分かる。  翔多は静かに浩貴に近づき、彼の頬に冷たいビールを押し当てた。 「浩貴ー、お待ちー」 「わっ」  浩貴は文字通り飛び上がって驚いた。 「びっくりさせんなよ、翔多」  翔多はえへへと笑って、缶ビールを一本、浩貴に渡した。 「え? なに、ビール? ……うわ。プレミアム・ラガーって、おじさんいいビール飲んでるんだな」 「ちゃうちゃう。伯父さんがいつも飲んでるのは発泡酒。これは浩貴が泊まりに来るからって、特別に買ってもらったんだ」  ガキのくせに贅沢なと伯父さんはぶつくさ文句を言っていたけれども。 「乾杯」  そう言って二つの缶ビールを軽く合わせたあと、翔多は得意げに宣言してみせた。 「オレ、アルコールに超強いよー」 「……へぇー」  翔多の自信満々な宣言を受けて、浩貴がちょっと臆したような表情をしたのがかわいくて、胸がきゅんと鳴った。  浩貴がどれくらいアルコールに強いかは知らないけれど、少なくとも彼より先にオレが酔い潰れることはないはず。  ……あわよくばオレが浩貴を押し倒して……。  …………。

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