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第25話 サイモンとの日々

 オリバー家に戻ってから、穏やかな日々が続いた。  普通は伯爵家での仕事は城主と時期城主がしていて僕の仕事はないんだけれど、僕にも何か手伝わせて欲しいというと、サイモンは簡単な仕事を手伝わせてくれた。 「今日は何するの?」  サイモンが外出する支度し始めるのを見かけ、ワクワクしながら聞いてみる。 「ぶどう畑。ミカエルも……」  行くかい?と聞かれる前に「行く!」と前のめりに返事をしてしまう。  だってサイモンとのお出かけは楽しい。  この前は農場を見に行って、その前は街に出てみんなの話を聞いたり。  どんな話もサイモンは耳を傾け、その言葉を今後に繋げていく。  だから街の人達に人気があって信頼されている。  今日行くぶどう畑で作られているものは、ぶどう酒。  作る工程も丁寧で、皇帝に献上しているそう。  18歳になってからお酒が飲めるようになってから、初めて飲んだ時は何が美味しいかわからなかったけれど、サイモンが見つけてきてくれるお酒は甘くて果実の味がして美味しかった。  サイモンと一緒にいたら、新しいことがたくさんあって、僕の知らないことをたくさん教えてくれる。  大好きな人と毎日一緒にいられて、本当に楽しい。  別の日。 「ミカエル、今日は馬で行くよ」  と、手を差し出される。  本当は僕も乗馬できるけれど、ミカエルは乗馬ができないから馬で出かける時は、いつもサイモンの馬に乗せてもらう。  乗馬の時はサイモンに背中から抱きしめてもらう格好で乗るから緊張してしまって、僕の心臓は全速力で走ってきたみたいに早く脈うつ。  振り返り見上げながら話をすると、サイモンが下を向けばキスをしてしまいそうなぐらい近く、本当にそのまま僕の頬にキスをするので、全身が真っ赤になていくのがわかる。 「ミカエルはほんとうに可愛いね」  いつもそう言ってくれて嬉しくてくすぐったくなってしまうけれど、それはミカに対してで僕ではないと肝に銘じている。  サイモンが好きなのは、僕じゃなくてミカ。  たとえ僕の目を見て言ってくれていても、それは僕を通り越して見えるミカ。  それを決して忘れてはいけない。  サイモンはいつも、どんな時も、人がいてもいなくても、僕に「可愛い」や「大好きだよ」「愛してる」と言ってくれる。  この前なんて邸宅に飾る用のたくさんの切り花を持って行ったら、サイモンは真剣な顔をして「花の妖精かと思った」と、みんなの前で頬にキスをした時は、恥ずかしすぎて花束で顔を隠してしまった。  それから街の人たちは、いつも微笑ましそうにに僕とサイモンを見るし、子供たちまで「今日はキスしないの?」と言い出す。 「しないよ」と僕が言っても、その話を後で聞いていたサイモンが僕の髪を掬い上げ、そっと髪にキスをする。  キスをしてくれるのは嬉しいけれど、みんなの前は恥ずかしいって言ったら「2人だけの時はいいの?」って聞かれて、「いいよ」って答えたら、それから毎日、ベッドに入るとサイモンは僕に『大人のキス』をする。  はじめは本当にびっくりしたし、どうしていいかわからなかったけれど、サイモンはとってもキスが上手くて、頭が痺れるぐらい気持ちいい。  もっとしてほしいと、僕がサイモンの首に腕を回すと、耳や首筋、肩、頸、背中、腕、指先……。  たくさんキスをしてくれる。  その後、シルクのネグリジェを脱がされ、サイモンの指がお尻の蕾の中に入ってくる。  一本しか入らなかった指が二本、三本と増えていき、中のぷくりと膨らんだ弱いところを、押し上げられる。  弱いところをいじめられながら、サイモンは僕の楔をもう片方の手で扱き上げ、その間ずっと大人のキスされ、毎晩僕は絶頂を迎える。  そして裸のまま、サイモンに抱きしめられながら眠る。  何も知らなかった僕の身体は、サイモンに大人のキスをされただけで、芯から疼くような身体になってしまった。

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