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第5話 ボーイズバー
「草太、下、行って見ねえ?地下の店。
ね、マスター、社会勉強。
ボーイズバーって男同士だって入れるんだろ?」
徹司が聞いている。
「二人で行くのか?ぼったくられるぞ。」
「マスターから話、通してよ。」
電話を入れてくれた。これで一見にはならないだろう。
「いらっしゃいませ!」
カジュアルな服装の黒服(?)が案内してくれる。
「バー青山のマスターから伺っております。
ご指名はございますか?」
「うん、わかんないから、何かプロフィール写真とか無いの?」
差し出された写真集のようなものを見た。
「すごい!イケメン揃いだ。
年齢層が若いね。」
目についた男の子を二人、指名した。年は自分たちと同じ位だ。
「いらっしゃいませ。ご指名ありがとうございます。シンです。20才。」
「僕は蓮。21才、よろしく。」
二人が名刺をくれた。
徹司が見栄を張ってシャンパンを注文した。
「何がよろしいですか?ウチで人気なのは、ドンペリとか、モエシャンですね。」
メニューを見てビビった。一番安いドンペリでも11万って書いてある。
「草太、気にすんな。俺の奢りだ。
あと、何か、フルーツの盛り合わせとか、作って。」
父親にお供して高級クラブとかによく行く徹司は慣れたものだ。
(フルーツって10万円くらいするんだよね。)
ハラハラした。
「お客様は学生さん?」
「言いたくないな。」
徹司が応える。シンと言うホストが気まずい顔をした。
「失礼しました。」
シャンパン、ドンペリの白で乾杯した。
「これからショータイムが始まるよ。」
音楽が流れて店の真ん中に作られたランウェイにモデルっぽい男たちが静かに登場した。
なんと小さな下着だけを身に付けている。
ほぼ、裸だった。目のやり場に困る。
みんな工夫を凝らしたセクシーで小さな下着だけで歩いてくる。全員が肉体美を強調した小さい布を身に付けているだけだ。
鍛え上げられた身体から目が離せない。
前から見ると小さな布にやっと包み込まれた男の象徴がフルフルと揺れている。後ろは食い込んでいる。
「大胸筋がすごいね。男のおっぱいだ。」
「男(お)っぱい?」
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