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第13話 ショー

 泡の中で遊んでいると隣に並んで座った零士が訊いた。 「金払ってまで男の裸が見たかったんだろ。」 「いや、あれは徹司が出してくれたんで、俺は払ってない。」 「そういうこと、言ってんじゃねぇよ。 おまえ、ゲイなの?」 「いや、童貞。」 「面白すぎるな、おまえ。」  そばで見ると本当に綺麗だった。 零士、妖精みたいだ。長いまつ毛が影を落とすその横顔。自然に俺たちはくちづけした。  その黒髪をほどいて、頭を抱えて抱き寄せた。 田舎で猫を抱くように優しく抱き寄せた。  華奢な顎を持ってその唇を貪った。 「初めてなのに激しいな。」 「本能だな。」  泡に塗れてヌルヌルと身体を合わせる。 「は、ん、気持ちいい。泡を流してベッドに行こう。」  またシャワーを頭からかぶって流した。 もう痛いくらい勃起している。手を伸ばして零士のものを触った。やっぱりギンギンだ。  サイドテーブルの引き出しから色々なものを出した。 「必要なものだ。ローションだろ、それにゴム。 ちゃんと解してゴムも付けろよ。」 「えっ?俺が入れる方?」 「そ、攻めだ。それとも入れられたいか?」   綺麗な身体に、思わず口で愛撫した。 「あ、やめろよ。」 「綺麗だ。舐めさせて。」 「童貞のくせに生意気だぞ。」  指でグチュグチュ触ってみる。ここに俺のが入るのか?  壊してしまう。ローションを塗り込めて指を奥に進めた。綺麗な顔が歪む。 (俺がそんな顔させてんだな。) そう思った瞬間、イッテしまった。 零士にほとばしる精をかけてしまった。 「ああ、ごめん。我慢できなかった。」 「これからだよ。も一回しよう。」  そう言って俺の息子を咥えてくれた。あの綺麗な顔でそんなことしてると思うだけでぐんぐんと力が湧いて来た。 「すごい、草太,大きくなって来た。 愛して。これで愛してくれる?」  その言い方にまた、痛いほど勃起してきた。 身体中なでまわす。 「零士、愛してる。もう俺たち離れられないよ。」  隣の部屋で録画している、気の触れた男がいた。

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