20 / 102

第20話 潔癖症

「同じ服を2回は着ないのって、異常だな。 何かあんのか?」 「何もねえよ。」  草太は、零士が病的な潔癖症なのか、と思い始めた。 「洗濯が面倒だから。」  下着のシャツとパンツも使い捨てなんてもったいない。 「俺が洗ってやるから、捨てるな!」  草太は零士の身体を包んでいた下着まで愛おしいと思うのだ。 「おまえ、いい嫁さんになるよ。」 「バカにすんなよ。 一々買いに行くのも大変だろ。」  確かに零士は下着にもこだわりがあって、決まったブランドしか穿かないようだった。カッコいいボクサーブリーフ。 「今日は草太のパンツ穿こうかな。」  下着を共有するのはちょっと面映い。 「ほら。」  バスローブの中は何も穿いてなかった。目の前に突き出された半勃ちのペニスを口で愛撫する。 「俺も風呂に入って来るよ。」 「待てないな、三日ぶりだぜ。」  激しく動いて口に出された。 「吐き出せよ。」 「飲んじゃったよ。」  俺の前に跪いて 「ごめんよ、草太に酷い事するつもりは無いんだ。」  風呂に零士がついて来た。優しく洗ってくれるらしい。アパートの狭いバスルームで二人とも頭からシャワーを被った。  笑いが止まらない。いたずらを見つからないようにしている子供の気分だ。  大きいタオルでお互いを拭いて抱き合う。和室の敷きっぱなしの万年床に二人で倒れ込んだ。  思い出して座布団の下のカードキーを冷凍庫の氷の上に投げ込んだ。 「バグるな。 聞いてる奴の耳が壊れればいい。」  裸で布団の上で抱き合った。 「草太の匂いがする。大好きだよ。」 布団に潜り込んではしゃいでいる零士が可愛い。 (どんな秘密があるんだろう。 誰に縛られてるんだ?あの秋吉教授なのか?)  なにか、ヤバい組織と関わりがあるのだろうか? (荒唐無稽な俺の妄想だと思いたい。)  徹司が何か,掴んだ。

ともだちにシェアしよう!