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第41話 陸と龍一

 徹司も吉田に紹介されて龍一に会った。龍一は背の高い綺麗な男だった。  お互いに衝撃を受けた。 名刺を見ると申し分のない経歴。 [T大理三 准教授 医学博士         佐波龍一]  極道、佐波一家四代目、とは書いてない。 「やっぱり、学歴がモノを言うな。カッコいい。」  そう言って陸も名刺を出す。杉の薄板に金箔押しで [広域暴力団 関東T会 若頭筆頭           安藤陸]  極道のエリートだ。コケオドシに豪華な名刺を差し出した。  『ボーイズバー ジュネ』に招待された。 まずは、奥の事務所に。 「ここじゃ、カチコミされたら逃げ場がないですね。」  開口一番、龍一の感想だった。いかにも極道の事務所然としている部屋に通されて、虎ニと若松が居心地悪そうだ。  一緒について来た貴也も、モジモジしている。 「店で一杯いかがですか。 零士のショーもお見せしたいし。」  みんなで広い店のフロアに移動した。 シャンパンが開けられ、派手な演出で歓待された。草太が蓮とシンと共に接客を任された。 「いらっしゃいませ。」  緊張気味に名刺を差し出した。 「もうすぐ、モデルたちのウォーキングが始まります。」  その後、メンズストリップがある。  音楽が大きくなり、マッチョで半裸のイケメンたちが登場した。 「すごい。みんないい身体。イケメンですね。」  今にもこぼれ落ちそうな衣装も見ものだった。 「目のやり場に困るね。」  ステージにスポットライトが当たる。 中心にあるベッドに、仕事帰りのリーマンの体(てい)でイケメンが帰って来た。  けだるそうにシャツを脱ぐ。みんなの好きな裸ネクタイで手伝ってくれる姫を逆にご指名だ。  抽選で当たったお客さんがうやうやしくステージに上がって、シャツのボタンを外す。  手を握られて真っ赤になっている。 「可愛いよ。」  耳元でイケボが囁く。軽く頬にくちづけられて ステージを降りる。  虎ニが感激して言った。 「お客さん参加型の演出なんだね。」

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