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第43話 ショーが終わって
予期せぬ展開のショーが終わって、一旦引っ込んだ草太が客席に戻って来た。
蓮が耳元で
「草太、大丈夫か? 仕事出来る?」
思いもしないステージにクタクタの草太だったが、仕事に戻って来た。
「いつも、あんなショーやってるの?」
龍一が心配そうに聞いてくる。
「いえ、初めてです。俺、ストリップなんて出来ないし。零士が無理矢理引っ張るんで。」
「あの人、キミの彼氏なの?」
虎ニが聞く。若松の隣ですっかり当てられてしまった。
「こんな店なんだ。俺が働きたいって言ったら、若松怒るかな?」
「もちろん、ダメです。私のメンタルが持ちません。」
貴也も複雑な気持ちになった。
(龍一があの人を診察するんだ。
二人っきりにしないように気をつけよう。)
貴也には何か、予感のようなものがあった。
(龍一にはシオンという浮気の前科があるからな。零士っていう人は、浮気なんてレベルじゃない綺麗さだ。しかもエロい。)
「いかがでしたか?零士は。」
後でここにくるというのでみんな期待して待っていた。
「草太君は零士さんの恋人なの?」
「ええ、俺はそう思ってるけど、零士はわからないな。自信がない。」
「確かにモテそうだもんね。」
虎ニがからかう。
しばらくしてシャンパンも数本空いた頃、零士がやって来た。
スマートな肢体にキトンのような一枚布を巻き付けて黒髪を解いて歩いて来た。サラサラと肩にかかる髪が綺麗だ。
「お待たせしました。初めまして、零士です。」
龍一と握手して陸の隣に座る。草太は一瞬、寂しそうな顔をした。
零士がイタズラっぽい顔で草太を見る。先ほどのショーで火を付けられたのか、草太はつらそうだ。
「佐波龍一さん、あなたはお医者さんですね。」
「わかるかい?今日はクレゾール臭くないと思うんだがな。」
鼻をヒクつかせている龍一を見て
「さすが、鋭いね、零士は。」
陸が自分の物のように肩を抱いた。
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