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第64話 二人

 怒涛のセックスが治まって爆睡した。 目を開けたら、眠っている陸の刺青が見えた。  この辺りを仕切る極道が、無防備に眠っている。 (大丈夫か? タマ狙って、いつ誰がぶっ込んでくるか、わからないってのに。何とも平和な顔をしてやがる。) 「起きろよ。」  乱暴に叩き起こす。 「うーん、おまえに抱き潰された。」  抱き起こしてやる。 「ああ、起きられるよ。風呂に入りたい。」  陸の腹は零士の精液でベタベタだった。 抱えて風呂に行く。湯をためる間、身体を流してやる。いい身体だ。惚れ惚れする筋肉。  泡だらけになって洗ってやる。 「おまえっていい身体してるんだな。」 「店のマネージャーだった時、枕は毎晩、だったから女の喜ぶ身体を作ってたんだ。」  陸はまだ、駆け出しの頃、身体を張って店を大きくした。セックスは必須、だったのだ。 「女を悦ばせるのが俺の仕事だった。」 「女、抱けるのか?」 「ああ、男の方が好きだがな。」 「ネコだもんな。」  逸物を握って 「これもデカいし、な。マラピン(真珠)入れないんだ?」  女を悦ばせるために、ペニスに入れる男もいる。 「生身で勝負だ。」  少し大きくなり始めたモノを扱いてやる。 「もう、何にも出ねえよ。 全部おまえに吸い取られた。」  二人並んで大きな鏡の前に立つ。 「イケてるな、俺たち。」  二人とも背が高い。陸の方が筋肉質だ。大胸筋がデカい。腹筋が割れている。  零士はほっそりして繊細な身体に見えるが、全身バネで出来ているようだ。  鏡の前で身体中まさぐる。 「綺麗だな。」 並んで立ち身体を触る。 腰に手を回して、鏡の中で見つめ合う。 思わず,美しい男同士に見惚れていた。 「モデルになれるぜ。」 「もう、まっぴらだ。」 「店で見せてくれよ。零士のエロいストリップ。」 「嫌だけど、仕方ねえな。」  大きなタオルで陸は甲斐甲斐しく拭いてくれる。 「若頭に世話させて悪いな。」 「綺麗だな。全部綺麗だ。」 (こいつは俺のモノにならない。)  それが零士を魅力的に見せている。

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