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第83話 愛の夜

 夜も遅い時間に零士は帰ってきた。 草太を抱きしめる。 「陸に会ってきたんだ。浮気はしなかったよ。 草太を抱きたい。」  零士は陸にスイッチを入れられて、やりたいのを我慢して帰ってきた。  風呂に連れて行かれて裸にされる。 毎日していても慣れることはない。  期待で身体が慄く。膝に抱かれて身体を触られるのが気持ちいい。ピクン、反応する。  髪をかきあげられて耳を噛まれた。 「可愛いよ、草太。」 「うう、くすぐったいよ。」  男の印が固くなる。 「恥ずかしいよ。」 「すぐ固くするからか?」 「ああ、やめて。」 「草太は感度抜群だね。」  手を伸ばせばいつも愛に応えてくれる人がいる。幸せだ。  力を込めて抱きついた草太は、零士の綺麗な身体を全部愛そうと弄る。 「零士、俺に入れて。一つになりたい。」  この頃ではいつも草太が受けになる。 リバの零士だったが、征服欲に負けたらしい。  草太は入れてもらう事で愛を確認する。 受けには素晴らしい快感がある。  零士に身体を開発してもらう悦び。 「ああ、零士、俺、死んじゃう!」  あまりの快感に何度も絶頂を迎えた。零士が身体に刻み込んでくれる快楽。  愛する男に身体を預けて夢の中に堕ちる。 「ああ、零士、愛してる。」  草太は自分の中に絶頂を注ぎ込む零士が愛しい。繋がってひとつになる。 「ああ,すごい。こんな快感。一緒だよ。一緒にイコう。」  その一点で深く繋がっている。 「草太、愛してるよ。俺だけのものだ。」 「どこにも行かないで。ずっと一緒だよ。」  二人で布団の上で仰向けになっている。 精も根も尽き果てた二人は手を伸ばして繋いでいる。手の温もりに愛を込めているようだ。 「零士、激しかったね。」 「ああ、陸に火をつけられた。 それでも、草太だけを思って帰ってきたんだ。 草太を抱きたいって。」 「俺だけに欲情したらいいな。」 「バカだなぁ,当然だよ。可愛い尻だ。」 「はあ、触らないで。また、気持ちよくなっちゃう。」  熱いくちづけをかわす。

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