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第90話 たまがったぁ

「おまえのばあちゃん、ぶっ飛んでるなぁ。」  未だ、法律が追いついていない同性婚。 ばあちゃんの柔軟な頭の中では、同性婚を認める理解が示された。どんな政治家より進歩的で柔らかい頭脳。 「んだな、可愛い孫が愛する人は、三国一の旦那さんに決まってら。」  父親にも母親にも親戚一同にも認めさせた。 草太には妹がいた。 「アタシは東京に出て行くから。家の跡なんて継ぐわけないっぺよ。」  高校生の妹は面白がって応援してくれた。 「リアルBL!」 「あんちゃがオカマさ、なるとはたまがったなぁ。」 「オカマじゃないよ。認識が偏ってるね。」 徹司の事も 「徹ちゃんは、流行りのデキ婚、カッコいいね。」  妹にからかわれて苦笑いだった。 美咲ちゃんは 「キチンと正看護師の資格を取りたいので、大学に休学届を出しました。子連れで復帰します。」  徹司は親の事業の一部を譲り受けて、IT関連の会社を立ち上げた。一応情報工学専攻だった。  単位も落とさず、来春卒業見込みだ。 「なんだ、徹司が一番堅実だったな。」 「リモートで,机一つあれば会社だ。俺、社長。」  ワハハと笑っている。 「徹ちゃんたちはどこに住むの? こっちに来る?」  美咲ちゃんは親がこの近くに住んでいるからこっちに住みたいと言っている。 「なんだ、それじゃ、今までとそんなに変わらないね。みんな一緒だ。」  結婚式は大盛り上がりだった。 草太は一人で参加した。合同結婚式をやろう,と言う話も出ていたが、さすがに同性婚はカミングアウトしなかった。草太の考えだった。 「まだ、お披露目は早すぎるよ。 徹司と美咲ちゃんが主役だ。  ばあちゃん、彼氏は今度紹介するよ。 素敵な人だよ。犬がいるから中々出かけられないんだ。犬は半端なくデカいから、ばあちゃんが見たらビックリするよ。」  猫好きなばあちゃんは猫をたくさん面倒見ている。草太も猫好きだ。  母は、 「身体に気をつけて。ちゃんとご飯食べてる?」 「大丈夫、彼氏が料理好きだから。」 (ホントはすごいグルメだ。)

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