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第1話-2 特別だよね
時間より早めに学校に着いてしまった秋は、
芸能科の生徒らが待機する教室へ向かった。
想像していた通り、
教室には美男美女が勢揃いしていた。
その異様な空気感に思わず秋は息を呑んだ。
そんな折、一人の生徒が話しかけてくれた。
同じ新入生で、名前を高野 快斗 と名乗る彼は、「なんだか緊張しちゃうね」と砕けた柔らかい話口調で秋に話しかけてきた。
自分だけがそうではなかったのだ、と
秋は少し安心する。
高野はダンサーとして事務所に所属し、今はレッスン生としてアーティストのバックダンサーとして主に活動をしていると話し、「まだデビューもしてないのにさ、こんなとこ来ちゃっていいのかなあ」なんて少し不安そうに笑った。
秋はそんな高野に強く共感の気持ちが湧き、俺も全然売れてないのにさ、なんて砕けた様子で返し、二人はすぐに意気投合した。
そうして高野とお互いの身の上話をしているとあっという間に時間が過ぎ、教室に入ってきた教師から号令がかかり、入学式の会場である体育館へ移動した。
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