3 / 209

第1話-3 特別だよね

体育館にはパイプ椅子が大勢並べられており、パイプ椅子の座面には、名前の書かれた入学式の案内が置かれている。 秋は自分の名前を見つけ、着席。 その案内にペラペラと目を通していると、 入学式が始まった。 隣はまだ、空席のままだった。 その時、後ろの遠くの方で生徒らの一部がなぜかざわつき始めた。 職員はそれを一瞥し、静粛に、と注意をするが、その声は止むことなく、むしろ増していってこちらに近づく感覚があった。 思わず振り返った時、一人の青年が目に入る。 秋は、その彼の顔を見て 思わず目を丸くしてしまった。 その青年が、あまりにも美しかったからだ。 秋が呆気に取られていると、 恐ろしいほど整った容姿をした彼は、 目の前を通り、秋の隣に着席した。

ともだちにシェアしよう!