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第2話-2 「心配してくれたの?」

その後色々と京都を巡る中で、 秋はふと、そのお守りがないことに気づく。 秋は焦る。 カバンの中、制服のポケット、先ほどまで歩いていた道を振り返っても、どこにもお守りはないと分かると、途端に秋は顔面蒼白になった。 宿に帰ってからも失くしたお守りのことばかり考えてしまう。 けれど、自分から言い出して買ってもらったくせにそれを失くした、なんて言い出せない秋は、その夜、春が寝たことを確認してから、お守りを買った神社へ向かった。 暗い中、必死に探すが見つからない。 しばらく探した後、どこにもない、と秋は意気消沈し大きなため息をついた。 何気なく携帯を開こうとする。 が、充電切れで電源がつかないことに気づいた。 土地勘のない秋は宿に戻るすべもなくしてしまい、ほぼ半べそ状態で真っ暗なその神社の境内に、長いこと座り込んで項垂れていた。 すると、突然声がした。

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