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第2話-6 「心配してくれたの?」

二日目。 約束通り、春は秋にお守りを買い直してくれた。 お金は払う!と秋はいうけど、 「それじゃ意味ないよ」と春が払ってくれた。 帰り道。 そばにあったアイス屋を指さし、秋はお礼にアイス奢らせて!甘いもの好き?と春に尋ねた。 すると、春は「好きだよ」と微笑んでそう答えた。 その言葉に、秋はなぜかどきりとした。 それを誤魔化すように、味どうする?と秋が尋ねると、春はじっとアイスが並べられたケースを見ながら、うーん…、と小さく声を上げた。 秋はそんな春に、抹茶は?ほらここ京都だし、それに春、京都出身でしょ?と声をかける。 すると、春は少し眉をひそめて、再びうーん…と小さく言った。 その表情を見て、秋はもしかして、と春の顔を覗き込んだ。 「抹茶苦手?」 すると春は困ったように笑い、 小さくうん、と言った。 「京都やのに?」 秋はそう、関西弁で冗談っぽく春に言う。 すると春も、京都やのに、と同じように冗談めかして返事をした。

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