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第3話-7 「抜いてみたら?」
そんなふうにぼんやりと過ごしたその日の帰り道、他の友人たちが分かれ道で去っていき、松山と二人になった。
未だどこか心あらずな秋に、松山がふと秋に尋ねた。
「なんかごめん、気使わせた?」
秋はふっと顔をあげ、松山に返答する。
「え?何が?」
すると松山は小さく息を吐き、さらりと言った。
「休み時間、俺が男が好きだって言ってから変だから」
秋はそれに「・・男が好きってどんな感じなの?」と、再び先ほどと同じ質問を恐る恐るする。
「どんな感じって・・・だから」と少し首を傾げた後、松山はいった。
「別に普通だよ、気になって目で追っちゃったり、誰か他の人と仲良さそうだと面白くないなーってヤキモチ妬いたりとか」
秋はその言葉にどきりとした。
そうして具体的に挙げられたその例が、まさしく春への自分の感情や行動と一致していることに気づいたからだ。
続けて松山が言う。
「あとはほら、手繋ぎたいとかキスしたいとかヤリて〜とか」
その発言に、秋は分かりやすく動揺を見せた。
「いやいやいや!!!そんなこと俺、思ってないし!」
そう大きな声で咄嗟に返す秋に、松山は不思議そうな顔をした。
そして尋ねた。
「・・・誰に?」
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