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第3話-8 「抜いてみたら?」
「・・・誰に?」
秋はしまった…という顔をして、「や、誰ってそんな…ないから、ないから…」と必死に誤魔化すも、突然松山がニヤリと微笑んだ後、言った。
「春?」
ズバリそう言い当てられ、秋は再び大声をあげて必死に否定する。
「は!?!?!??!?!??!ち、違うわ!!!!!!何言って!!!!!!!!」
道端で大声で狼狽える秋を見て、松山は腹を抱えて笑った。
しばらくして秋はやっと観念し、小さく呟くように「今まで男にそんなふうに思ったことない、これまで普通に・・・あ、いや、普通っていうのは・・・」と言いかけ、ハッと松山の顔を見る。
松山はそれにふっと笑い、「別にそんな言葉狩りしませんよ、秋は今まで女の子が好きだったんでしょ?」と優しく尋ねてきた。
そうして秋と松山は会話を続けた。
そのやり取りの中で、秋は不安そうに尋ねる。
「もしかしてその…あっくんは…春のこと気になってたりする…?」
すると松山はクッと眉を顰め、「ナイナイ、俺他に好きな人いるからね」と言った。
秋はその松山の返答にホッとする。
その表情を見て、松山は「本当に秋は分かりやすいよね」と笑った。
そして「秋、春のこと大好きだもんね」と言葉を続ける。
それに、えっ!?出てる・・!?と聞くと、
「うん、ガンガン出てる」と松山は呆れ顔で答える。
「本人にバレてるかな・・」と聞くと、「大丈夫じゃない?」と松山。
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