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第3話-11 「抜いてみたら?」

その日以来、秋は春のことを信じられないほど意識してしまうようになった。 自分から話しかけては意味もなく赤面し、あっ、あっ、と意味のわからない言葉を発して春の元から去ったり。 頼まれてもいないのに購買でお菓子を買い込み、春にそれを手渡し、ふと触れた手にわっ!と大きな声をあげたり。 春はそんな秋に対して「?」という感じで、
特に突っ込んだりはしてこない。 そうして明らかに様子がおかしい秋を見かねて、松山が秋を廊下に連れ出した。 「だから分かりやすすぎだって」 秋と二人になり、松山は半笑いでそう言った。 「だって…あっくんが変なこと言うから…」 すると松山が少し目を見開き、言った。 「…本当に抜いたんだ?」 秋はちょ、ちょ!と松山の口を押さえる。 松山はそれを避け、へぇ〜と面白がるように呟く。 秋は思わず大きなため息をつく。 「…やばいよね」 「何が?」 「いやだって…」 「別に健全な男子高校生じゃない?好きな人にそういう気持ち抱くって」 「で、でも…変でしょ…」 松山が秋のその言葉に一息おき、言った。 「相手が男だから、変?」

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