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第4話-8 「好きな人いるの?」
「俺、春のことが…好きなんだけど」
するとその言葉を聞いて、春は何度か瞬きをした。
その後すぐ、「そうなんだ」「ありがとう」と短くそう言った。
あまりに軽い返事に秋は拍子抜けし、
「えっ…、あ、そ、それだけ…?」と言うと、春は「嬉しいよ、ありがとう」と小さく微笑んで言った。
好きの真意が伝わってるか不安になり、秋は続けて言った。
「違うよ、あの…友達としてとかじゃなくて」
「そういう好きじゃなくて」
「春が好き、なんだけど」
そう秋が言ってからしばらく春は黙った後、すっと秋から目線を外した。
そしてしばらくして、また秋に目線を戻し、少しまた微笑む様に、言った。
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