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第4話-10 「好きな人いるの?」
「…ごめん、友達でいたい」
秋はその言葉を聞き、強く掴んでいた春の手を離した。
「…うん、分かった」
秋は俯いてそう言った。
そして俯いた顔をあげ、春を見る。
春はじっと、秋を見ていた。
そんな春に、秋は唇を噛み締めた後、静かに言った。
「…ありがとう」
そして秋は、パッと明るく振る舞うように、
「ごめん俺、やっぱ片付けしてから帰るから!」と言い、
その場から逃げるように教室に戻った。
そして、しばらくして外の廊下から聞こえる春の足音が遠ざかるの確認した後、秋は思わず座り込んで、抑えていた感情を解くように、一人で泣いた。
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