38 / 209

★第5話-1 好きでいる理由

春に振られたあの日から、春と秋の関係性はあまり変わっていなかった。 秋は、告白してから初めて春にあった日にはいつも通り明るく接し、春もそんな秋に合わせてか、いつも通り接してくれていた。 そうして春の希望通り、”友達”を続けていた。 ただ、春への気持ちは変わることはなく、秋の創作活動の源は春であった。 

秋は作詞作曲の際、その時好きな子を思って書くことがほとんどだ。 
その時思い浮かべるはいつも春だった。
 けれど、友達でいたいと振られてしまった手前、
秋はその気持ちを表には出すことなく、
あくまでいい友達でいようと努力していた。

ともだちにシェアしよう!