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第5話-4 好きでいる理由
「でもさ、なんかあったんじゃない、過去に」
「過去?」
「いや、だってあんまりしない振り方じゃない?好きだって言われて勘違いじゃない?って返すって。普通、"ありがとう、気持ちは嬉しい、でもごめんね"、が相場じゃん?」
「まあ...」
「それかまあ、モテすぎてそうやって好意の芽を自分で摘んでかないと収拾つかないとか?」
「いやそれで言いくるめられる人の方が少ないでしょ」
「まあね〜」
そうして二人で管を巻いたあと、松山は言った。
「勘違いじゃないでしょ、って証明すれば?
」
秋が松山に目線をやる。松山は続けて言った。
「来年、再来年・・、俺ちゃんと春のことが好きだよ、ってさ、長期戦で。」
「ま、そもそも男は無理ですってパターンもあるけどね〜」
秋は最後のその言葉にガクッとうなだれ、
「やめてよ・・じゃあ意味ないじゃんその時間」と泣きべそを描いた。
すると松山が尋ねた。
「意味ないの?」
秋はべそをかきながら言う。
「え?だって好きになってくれないのに好きでいたってさ・・」
「意味ない?」
再びそう尋ねる松山のその真剣な表情を見る秋。
そして秋は「...ある」と呟いた。
すると松山は笑って、ブッブーと、言った。
「意味もへったくれもないよ」
そう言って松山は少し笑い、続けてこういった。
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