45 / 209
第6話-3 寝起き
でもすぐに思い直し、「あ、でも疲れてるか...」と秋が言うと、春は
優しく笑い、言った。
「どこ行く?」
その返事に秋はすっかり舞い上がり、すぐに携帯でこの近くの店を検索した。
すると夜中までやってるパフェ屋さんがあるのを知り、そのページを春に見せる。
春はじっと画面を覗き込み、ふっと笑って、美味しそう、と言った。
「じゃあここにしよう!」
秋はそう言い、でもすぐに、でも、と思った。
そして春に言った。
「...あっくんとかもさ、誘ってみんなで行こうよ!」
それに春はうん、と静かに頷いた。
そして、高野、松山、舛井を誘い、
いつもの五人でそのパフェ屋に向かった。
が、店に着くと入り口に張り紙が。
ちょうど改修工事中で店がやってないことを知る。
大きく落胆する秋を高野らが慰める。
松山の提案もあり、五人は仕方なくコンビニでアイスとジュースを買い込んだ。
そして五人で部屋で集まろう部屋に入ろうとした時、ふと松山がごめん、と言って突然ドアの前で立ち止まった。
「ごめん、俺めっちゃ疲れてる」
突然の松山のその発言に、えっ大丈夫?と口々に秋らは声をかける。
俺やっぱ部屋で寝るわ、と言った後、松山が拗ねたような顔をした。
「お前らだけで思い出作る気?」
え、と動揺していると、松山は高野と舛井の手を掴んだ。
驚く顔をする二人。
「俺だけ仲間外れは無しだから」
えー?!と大きな声をあげる二人を、松山は構わず部屋から引き摺り出した。
そして春と秋を見て言った。
「じゃ、明日」
そうして手に持っていた袋を秋に手渡して、秋の目をじっと見た。
秋はハッとした表情をする。
すると、まあ頑張って、とでも言わんばかりに松山は春にバレないように笑い、二人を連れて部屋に戻って行った。
ともだちにシェアしよう!

