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★第7話-1 "友達"関係

しばらくして春が来て、これ、と手渡されたのは、
一つ300円程する、高いアイスだった。 ご馳走になるから、と気を使って買ってきてくれたらしい。 こんなの俺の料理に釣り合わないよ!?と言いつつ、
アイスが4つあったので、
「じゃあ…今日のデザートにしよう!一人二つ食べれる!」と秋は元気よく言った。 すると春は砕けたように笑い、
「二つも食べるの?」と言った。 手際よく料理を作る秋を春はじっと眺めていて、
いやそんな見ないでよ…と照れる秋。 
誤魔化すように、春は料理するの?と聞くと、
全く出来ない、と返事が。 じゃあやってみる?と春に包丁を握らせて、
玉ねぎを切るように指示するが、
まぁそれはもうおぼつかない手付きで、ろくに切れない春。 
秋はそれを見て大爆笑、
春はちょっと困ったような顔で「そんな笑う…?」と不服そうに言った。 秋は「俺も最初はそんなだったよ」といい、
続けてたらできるようになるよ、と慣れた手付きで玉ねぎを切ってみせる。 お〜・・・と春が大袈裟に感心してる姿が可愛くて、
そう思ってることがバレないうちに、と
はい、もうあっち行ってて!と春をキッチンから追い出した。

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