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第7話-2 "友達"関係
そして二人で出来上がった親子丼を食べる。
秋が自分用に作った親子丼を食べようとするのを見て、
「僕のせいで冷めちゃったから、こっち食べてよ」と春が譲ってくれるが、
「俺の料理を舐めてもらっちゃ困るよ、冷めても美味いんだから!」と
冗談でその優しさを返す。
春は一口食べて美味しい、とニコリと微笑み、
そしてあっという間に食べ切ってしまった。
秋は美味しそうに食べてくれるのが嬉しくて、
その様子をチラチラと見ていた。
春はお箸の持ち方がすごく綺麗で、丁寧に親子丼を口に運ぶ。
丁寧に噛んで飲み込んでから、また次の一口へ。
なのに、案外その一口は大きい。
ついその仕草に見惚れて、春が食べ終わる頃、
秋の器にはまだ半分ほど残ってしまっていた。
いつもならペロリと平らげてしまうような量だったけど、
なんだか胸がいっぱいで、思う様に箸が進まない。
それを見て春が少し心配した様子で、
「体調良くない?」と尋ねてきた。
いやいや、そんなことないよ!一回アイス挟みたくて!と、
心配してくれたことが申し訳なく思い、
アイス食べよ!と明るく秋は提案した。
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