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第7話-4 "友達"関係
最初の一口どうぞ、とアイスを掬って、
春がスプーンを手渡してくれた。
それを受け取り、
秋はそれを口に入れてすぐ、「ん、美味しい!」とキラキラの笑顔を見せる。
その顔を見て「美味しいよね」とニコッと聞き返す春に、
うんうん!と何度も頷く秋。
そして、何気なくそのスプーンを返すも、
「あっ!こっち使って!」と、まだ使ってなかった秋の方のスプーンを返した。
間接キスになってしまう!と秋は動揺したからだ。
あ、うん、と素直にそれを受け取り、
何もないようにアイスを食べ進める春。
しばらく食べ進めて、「あっ、こっちも食べる?」と秋が提案し、
いいの?と春が尋ねた。
秋はそれに、アイスカップだけを手渡すも、
借りていい?とスプーンを求められる。
えっ、これ使う?と聞くと、
「味混ざるの嫌じゃない?」と春はなんともない様に尋ねた。
「ああ・・」と言いスプーンを渡すと、
春は何も意識してないように、秋のスプーンでアイスを掬って食べた。
そしてニコッと微笑み、
「ん、美味しい、ありがとう」と秋にアイスを返した。
秋はその時、”春は俺のこと、意識してないんだな”とふと実感してしまった。
そして、
自分だけが意識しているのだと、少し寂しい気持ちになった。
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