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第8話-3 泊まっていきなよ
そうして松山と話していると、あの…と声をかけられる。
2人してふっと振り返ると、そこには同じクラスメイトの白石 由真 が。
彼女は絶賛売り出し中の若手女優だ。
その艶のある黒髪は腰まで長く、肌は透き通るように白い。端正な顔立ちと明るくまっすぐなキャラクターで、クラスの男子たちからの人気も高い。
白石は秋に目線を向けていて、
「どうしたの?」と秋は彼女に問いかける。
すると、白石は少し気恥ずかしそうに、一枚の紙を取り出した。
それは、秋のワンマンライブのチケットだった。
秋は、えっ?なんで?と問う。
すると、白石は照れくさそうに、
「実は秋くんの曲すごい好きで」と言った。
秋は思わず立ち上がり、えーっ!と嬉しそうに声を上げる。
なに、買ってくれたの?そんなん言ってくれたら招待するのに!と続けて秋は言った。
いやいや、ファンだからそんな、ちゃんとお金払いたいから!と、
笑顔で白石は返す。
そして、サインくれませんか…?と恐る恐る尋ねる白石に、
秋はえー!書くよ書くよ!いくらでも書くよ!と応じる。
白石はしっかり秋のファンらしく、ずっと前に出した曲のタイトルをあげ、
すごい好きなんだ、と言った。
そして、最近の曲も好きだけど、でも…と少し含みのある様子で秋を見上げる。
ん?と秋が不思議そうな顔をすると、
「秋くん、いま好きな子がいるんだよね?」と白石は尋ねた。
え、え?と大きな声をあげて動揺する秋に、
隣で2人のやりとりを聞いていた松山が「声デカいよ」と秋につっこむ。
白石はそんな秋を見つめながら、
「すごい良い曲だけど、素直に聞けなくって…」と白石が言った。
え…?と動揺している秋に、「じゃあワンマン楽しみにしてるね!」と白石は言い残し、
去っていった。
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