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第8話-6 泊まっていきなよ
とんとん、と、視線の先、机を叩かれる。
おっ、とびっくりして、つけていたヘッドフォンを外して振り返る。
すると春が申し訳なさそうな顔で立っている。
「ごめん、寝ちゃって…」
「あは、全然良いよ 疲れてたんだよ」
「ごめんね」
「いや全然、ほら俺作業してるからなんとも」
と、ちらりとモニター端の時刻に目をやる。
秋は集中していて気づかなかったが、すでに時間は深夜3:00前になっていた。
「お、こんな時間か!やば、気づかなかった」
立ち上がり、んーっと背伸びをする。
そうしながら、「よく寝れた?」と秋は笑って尋ねる。
「うん、すごい寝た…」と引き続き少し申し訳なさそうな表情の春。
「忙しそうだもんねぇ。明日も仕事?」
「いや…明日は休みで」
「え!休み?じゃあ学校だけ?って、え、土曜じゃん明日!え!休み?!」
「うん」
「え、何すんの?!」
「いや何も考えてなかったけど…」
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