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第9話-3 優越感

そうして男子だけになった後、
高野が、白石さんって良い匂いするよね…と小さくささやいた。

 舛井はありゃ〜完全に秋のこと好きだよね、と秋にニヤついた視線を向ける。
 そして続けて、で、秋もわざわざ楽器屋に着いていっちゃうほどには気があるわけだ?と揶揄うように言った。 秋は「は!?いやいや、そう言うんじゃないから!」と必死に否定し、
思わず春を一瞥する。 するとふっと、目が合ったものの、すぐに目を逸らされた。 そして、春は立ち上がり、残る4人に「ちょっと出るね」とニコッと微笑んで声をかけ、教室を後にする。 舛井と高野は「いってら〜」と春に声をかけたあと、
すぐにまた白石の話題に戻る。 秋は春の様子が引っかかって、松山に視線を向ける。

 すると松山は"何?"と言う表情を見せる。

 そんな松山を引っ張り教室袖に連れて行き、
「え、なんか春変じゃなかった?」と尋ねた。 「え?そう?別に普通じゃない?」 
「いや俺今完全に目逸らされたんだけど」 
「えー?別に逸らしたっていうか目線を別に移しただけじゃなくて?」 
「いや、それは分かんないけど…」 何となく違和感を感じたまま、秋は昼休みを終えた。

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