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第9話-7 優越感
「これあんま期待しないで聞いて欲しいけど」
「なに?」
「や、ほら…白石さんが声かけてきたじゃん」
「え?うん」
「でさ、俺らっていうか舛井とかがそれを冷やかしたじゃん、で、気があるんじゃないの?とかって言ってさ」
「それが何?」
「それが面白くなかったんじゃない?」
「…………は?」
思いもよらない発言に、秋は気の抜けた声を上げる。
「え、面白くなかったって何?」
「や、いや…俺のこと好きとか言ってたのに、的な」
「はあ…?俺振られてるんだよ?」
「いやまあそうだけど、春的には”秋は自分のこと好きだろう”みたいななんかそういう優越感?があったんじゃない、分からないけどさ」
優越感。
秋は全くピンと来なかった。
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