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第11話-3 嘘つき

「いやさ、春のそれ、癖だなと思って」 「癖?何が?」 「や、瞬き。なんか考えてる時、春そうやって瞬きするよね」 「そうかな、自分では気づいてなかった」 「いやさ、長いから、まつ毛が。すごい、それしてるとじっと見ちゃう。」 春はまた瞬きをして、秋に視線を移し、
やめて、意識するから、と言って笑った。 「ベッド行こうかな、って迷ったんでしょ?」 「うん」 「はは、ほら行きなよ」 するとまた瞬きをする春。
 あはは、と秋はまたその仕草を見て笑う。
 ちょっとしかめっ面をして秋を見る春。 「重そう」 「まつ毛が?」 「そう」 「はは、重くないよ」 「長いし多いし」 「そうかな」

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