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★第12話-1 知りたい
秋は見下ろした視線の先にいる春を見て、
途端に冷静になり、ハッとして言った。
「ご、ごめん!」
春はそのまま秋を見上げたまま、
小さく「…何に謝ってるの」と言った。
秋は春から離れ、慌ててソファに座り直す。
春も同じように、起き上がる。
「や、突然、その、こういう事して、ごめん」
しどろもどろにそう話す秋を見て、
少し間をおいて、ううん、と春は言った。
「や、やっぱりほら、その、春、ベッドで寝て。俺、こっちで寝るから」
「…うん」と小さく呟き、春はベッドに上がった。
「じゃ、じゃあ、あの、電気消すから。お、おやすみ」
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