100 / 209

★第12話-1 知りたい

秋は見下ろした視線の先にいる春を見て、
途端に冷静になり、ハッとして言った。 「ご、ごめん!」 春はそのまま秋を見上げたまま、
小さく「…何に謝ってるの」と言った。 秋は春から離れ、慌ててソファに座り直す。
 春も同じように、起き上がる。 「や、突然、その、こういう事して、ごめん」 しどろもどろにそう話す秋を見て、
少し間をおいて、ううん、と春は言った。 「や、やっぱりほら、その、春、ベッドで寝て。俺、こっちで寝るから」
 「…うん」と小さく呟き、春はベッドに上がった。 「じゃ、じゃあ、あの、電気消すから。お、おやすみ」

ともだちにシェアしよう!