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第12話-2 知りたい

二人はお互いソファとベッドに横になる。 秋の鼓動はまだ落ち着かず、
この静かな部屋に鼓動の音が響いてるのではないかと
心配になる程だった。 ついさっきまで――春がこの家にやってくるまで、あれほど後悔していたのに。 家に泊まっていけば、という言葉よりも、
はるかに友達としての境界線を越える――春にキスしてしまったことに、
秋はとてつもない後悔が押し寄せていた。 でも、と秋は同時に思っていた。 
春はそれを拒むことをしなかった。 確かに春は、秋のキスに応えてくれた。 
しようと思えば、いくらだって秋を押し戻すことが出来たはずだ。 なのに、春はそれをしなかった。 後悔と同じくらい、いや、それよりもっと。 
秋は大きな期待を抱いてしまっていた。 ふと松山の言葉を思い出す。 ” 何か春の中で気持ちの変化が起きてるかもしれない” 初めて春に告白したあの日から1年。
 その中で秋と春は”友達”として仲を深めてきた。 あの時「友達でいたい」と言った春に、
もしかしたらそれとは違う、別の感情が芽生えているのかもしれない。
 先ほどのキスを思い出し、そう秋は思ってしまう。

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