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第13話-4 キスの後

修学旅行先。 宿泊している宿でいつもの5人――と言っても春はいないが――で
松山の宿泊する部屋に集まり、たわいもない雑談をしていた。 するとしばらくして舛井が疲れた様子を滲ませる。 「昨日だって深夜までレッスンでさ〜」
と舛井はバタンとベッドに寝転んだ。 「まあ来れただけいいけど」
と舛井が言い、ふと話題は来れなかった春に移った。 最近は忙しすぎてデイプロのレッスンさえあまり参加できていないんだよ、春、と春を心配する様に舛井は言った。 「そりゃ修学旅行なんて来れないよなぁ。」 
「でも勿体無い。高校の修学旅行は人生で一度きりなのに」 そして舛井は可哀想だから写真でも送って気分だけでも味わわせてあげよう、と、
部屋にいるほか三人にカメラを向けた。 高野、松山はそれにおどけた様子でポーズを取ったが、
秋はそれが春に送信されるのだと思うと、
同じようにふざけることが出来なかった。 そんな秋に不思議そうな目線を向ける舛井と高野。 すると松山が、まーまーいーじゃん、ほらこれ撮ってよ!と、徐に先ほど売店で買った現地限定のイラストが描かれたフェイスパックをして、ポーズを決めた。 きっと、先日からの秋の様子で何か察して、話を逸らしてくれたのだろう。 秋はその松山の気遣いに申し訳なくなった。

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