部屋に戻ってすぐ、松山からメッセージがあった。 “言いたくないならいいけど、春と何かあった？” 秋はそれをしばらく眺めた後、 “ありがとう、大丈夫” と返事をした。 すると松山から”了解”とだけ返事が返ってきた。 秋ははあ・・と小さくため息をつき、久しぶりに春とのトーク画面を開いた。 あの日以来更新されていないトーク画面を意味もなくスクロールする。 いやでもあの夜のことが頭に浮かぶ。 キスした後、
「嫌だった様に思う？」と尋ねてきた春を思い出す。 あんなふうに聞いたくせに。 そう秋はまたため息をついた。 無かったことにするのなら、
最初から拒んでくれたら良かったのに。 秋は画面を閉じて、布団に潜り込んだ。 するとしばらくして、ピコン、と携帯が鳴った。