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第13話-6 キスの後

秋はどきりとする。 もしかして、と携帯を慌てて開くと、
メッセージは事務所のマネージャーからだった。 なんだ、春じゃなかった。
 そう落胆しながらメッセージを開くと、
マネージャーからコンペの案内が送られてきていた。 地上波ドラマの主題歌のコンペで、秋の作風に合うと思うから
挑戦してみませんか?という内容。 すでにストックとしてあった楽曲がぴったりだと思うので、よければ送っておきますとの事で、秋はそれによろしくお願いしますと返事をして、携帯を閉じた。 そして、
そうだ、俺は音楽をやりに上京してきたんだ!
と、秋は鼻息を荒くした。 春が驚くくらい有名になって、そしてテレビにも出まくって。
 それで春だって嫌でも目に入るくらい、俺が春をそうして意識してしまっているくらい____と思いを馳せるも、また春のことばかり考えている自分に気付き、またため息をついた。 春は今、何を思っているんだろう。 俺のことを、どう思っているんだろう。 あのキスを、どう思ったんだろう。

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