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第14話-3 突然の誘い
仕事しに来たのにな。
そう秋は思った。
しかも、自分にとって一世一代のチャンスかもしれない、そんな大仕事なのに。
こんな時でも春を思って浮ついている自分が情けなくて、
秋はガクンと項垂れた。
通り過ぎていく話し声や足音だけを聞いて、
秋はただ時間が過ぎるのを待った。
すると、ふと近くで足音が止まるのが分かった。
その人影に、思わず顔を上げる。
そして、秋は思わずのけぞった。
そこにいたのが、他でもない、春だったからだ。
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