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第14話-5 突然の誘い

秋がその言葉で固まっていると、
あれ?春くん?と一人の男性が春に声をかけてきた。 そうしてかけていたサングラスを外したその男性に、
春は軽く頭を下げた。 その男性は秋に目線を向けた。 
秋も春と同じように、頭を下げた。 「どうも、向井です」 男性はそう言い、秋が持っていた資料に気づき、
あれ、と声を上げた。 「もしかして、コンペの子?」 秋があわてて頷くと、
向井は「あら」と軽く言った後、続けた。 「僕、脚本家をしてて、君が受けるドラマを書いててね。」 そう言った向井に、
秋はハッと目を丸くして、再び深く頭を下げた。 「あ、今瀬秋と言います!よ、よろしくお願いします!」 向井はそんな秋に会釈した後、
春に、何?友達なの?と声をかけた。 すると春は、はい、と答える。 向井は、へぇ〜〜と言い、秋を観察するように、じろりと眺めた。

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