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第17話-2 それ以上のこと
「なんで春が謝んの?」
「…絶対行かないでって言えばよかったなって」
そう俯いて話す春に、秋は恐る恐る尋ねた。
「春は…何されたの?」
すると春はいつものように小さく微笑み、別になんともないから、と言った。
それに秋は咄嗟に言う。
「なんともなくないよ、俺、凄い嫌だった。怖くて、声でなくて。あの時たまたま向井さんの携帯が鳴ったからそれ以上何もなかったけど…、春は、どうだったんだろうって」
「向井さんに何されたの?」
再び尋ねた秋に、春は目線を逸らし言った。
「…それ聞いてどうするの?」
「え?」
「…こんなことがあったって僕が話して、それでどうするの?」
「…そ、それは…何もできないけど」
秋は必死で言葉を紡ぐ。
「春が嫌な思いをしてたり、するんなら、ただ、話して…その…」
そんな秋の言葉を遮るように春は言った。
「…別に嫌じゃないよ」
秋は呆気に取られる。
「嫌じゃないの…?」
「そういうの…そういうこと思うのって疲れるでしょ、すごく面倒でしょ」
春は、冷たくそう言った。
「面倒…?」
そう呆気に取られる秋に、春は声をかける。
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