138 / 209
第17話-6 それ以上のこと
「やめよう、秋」
「これ以上踏み込んでも
、お互い幸せになれないよ」
春はゆっくり秋の手を解いた。
そして、玄関へ向かう。
秋はそんな春を、大きな声で呼び止める。
そして、尋ねた。
「春は、春は…俺のこと、どう思ってるの?」
その言葉に立ち止まった後、
しばらくして春は小さな声で言った。
「...知ってもどうにもならないよ」
そう言ってドアノブに手をかける春に、秋は続けて言葉を吐く。
「...ワンマン!」
「ワンマン来て!
春が...春が言ったんだから!」
「来て!」
その言葉を聞いたのかそうでないのか、
春はそのまま部屋を飛び出して行った。
ともだちにシェアしよう!

