その日、春は相変わらず撮影現場に居た。

 このところほとんど寝れていない。
 というか、
4月に18歳の誕生日を迎えたその日からずっとだ。 

年齢が上がったことで深夜までの労働が許され、春のスケジュールはこれまで以上に真っ黒に埋まっていた。 

深夜3時ごろまで撮影で、翌日朝6時集合___。

 なんてそんなのはざらで、そうしてやっと帰宅してもその次の日の台本や来年のアイドルグループとしてのデビューに向けて覚えなければならないことをこなしていたらあっという間に朝が来る。


 撮影のスケジュールが書かれた香盤表を見る。

 24時終わり。

 いつもに比べて早く現場が終わる。
 普段なら少しは寝れる、と安心するところだが、
今日は違った。

 絶対に行けそうにない、と春は思った。