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第21話-2 君のお友達
「壱川くん専用のお皿だったりした?」
「あ…専用っていうか…俺が勝手に買って…それで出してただけで…」
白石はふっと笑っていった。
「よく来てたの?壱川くん」
「…よくっていうか…まあ…たまにだけどね」
「そっか」
こういうことはよくあった。
ふとした話題、ふとした拍子に秋は春を度々思い出し、そしてどこか浮かない表情を浮かべる。
そしてそれに気づいた白石が、こうやって春の話を聞くのだ。
ごめん、と謝ると決まって白石は言った。
「だからいいって。好きでいいって言ったでしょ」
そういう白石の表情はどこか寂しげで、
秋はその度に心が少し痛んだ。
それでも白石と一緒にいるのは、
秋の中で、春のことを諦めたい、と思っていたからだ。
早くこの気持ちに踏ん切りをつけたい。
秋はそう思っていた。
忘れないと。
好きなままでいい、と言われても、
秋はそれじゃダメだと分かっていた。
あの日、白石に甘え、
秋は白石の告白を受けた。
甘えていてはダメだ、と秋は思った。
好きな相手に別の好きな人がいる。
そんなの、いいわけがない。
きっと白石は苦しいはずだ。
選んだのなら、ちゃんと白石を好きにならないと。
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