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★第22話-1 向井聡
向井はそっと、ソファに傾れ込むように眠りにつく春の頬を優しく撫でた。
春は静かに寝息を立てている。
相変わらず綺麗な顔だ。
向井は思わず口角を上げる。
――
向井が春と初めて会ったのは、
春がまだ11歳の時だった。
当時から目を見張るような容姿をしていた春に、向井は驚きつつも、この時は強く興味を持たなかった。
向井は昔から男が好きだったが、特に中性的で美形の、線の細い男が好きだった。
そういったタイプに当てはまるのが大抵若い青年というだけで、年齢が低いから好きだ、というのとは少し違った。
だから、当時11歳だった春は向井の興味の範囲外で、ただ、強く印象に残ってはいた。
それほど、当時から春は特別美しかった。
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