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第24話-3 卒業式の日

「今日卒業式だね」

 その松山の言葉に、春はああ…そっか、と小さく呟いた。

 「何、忘れてた?」

 「…うん」

 「はは、お疲れだなあ」

 「…ごめんね」

 「何が?」

 「…撮影、こんなスケジュールになっちゃって申し訳ない」


 おそらくもうずっと何日もろくに寝れていないだろう。
 そんな状況でも他人を気遣う春に、
松山は呆れた顔をした。 


「いいよ、そのおかげで卒業式間に合いそうだしさ」 

「…そっか」

 春が小さく微笑んだ。




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