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第25話-5 帰らないで
何もしてあげられない、と秋は自分の無力感に打ちひしがれた。
そうして秋は薬を飲ませるために抱き抱えていた春を、またそっとベットに寝かせた。
そしてベッドの側に置いたドリンク類が入った袋を持って立ちあがろうとした時、春がそっと腕を上げ、
秋の服の袖を、掴んだ。
春は目を伏せ、小さく震える声で言った。
「……帰らないで」
「…ここにいて」
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