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第4話

「……ちょっとたってるね」
 耳元で囁かれ、心臓が跳ねる。 「少し……触っていい? 気持ちいいことだけ………ね」 頷いた瞬間、 タカヤの指先がベルトにかかった。 金具が小さく鳴り、ゆっくりと外されていく。 布越しに感じるタカヤの指は、決して急がない。 
腰骨のあたりを、親指でやさしく円を描くように撫でながら、 パンツのゴムを少しずつ下げていく。 熱い掌が、下腹部にふれる。
 そのまま指先が根元をかすめ、包み込むようにそっと握られた。 「……あ」 
わずかな吐息が、勝手に漏れる。 タカヤの手が、ゆっくりと上下に動く。 
締めつけすぎず、緩めすぎず──絶妙な力加減。
 擦られるたび、じんわりと快感が広がっていく。 視線を上げると、タカヤが笑っていた。
 「気持ちいい?」
 返事の代わりに、震える息が落ちた。 指先が先端をやさしくなぞる。 
にゅる、と透明なものが溢れ、 タカヤの手がそれを広げるように塗り込んでいく。
 滑りが増し、動きがさらに甘くなる。

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