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第5話
(タカヤ視点)
愁の体温が、手のひらにじんわりと伝わってくる。
さっきまでの居酒屋での距離感が嘘みたいだ。
指を動かすたび、ほんの少し腰が浮く。
その動きが愛おしくて、わざとゆっくり、焦らすように撫でる。
「……ん、はぁ……」
くぐもった声が、喉の奥からこぼれた。
その声だけで、下腹部が熱くなる。
愁の瞳は半分閉じて、まつ毛が震えている。
先端からはもう、とろりと溢れていて、俺の指をさらに滑らかにしてくれる。
「可愛いな……」
思わず、呟いた。
愁は恥ずかしそうに目を逸らすけど、体は素直に俺の手を受け入れている。
親指で先端を軽く押し込むと、
「っ……!」
と短く息を詰めた。
その瞬間、俺の中の何かが
「もっと見たい」
と騒ぎ出す。
このままイかせてもいい。
でも、もう少し、この顔を見ていたい──。
手の中の熱が、どんどん増していく。
愁の呼吸は早く、浅くなっていて、時々、俺の名前をかすれた声で呼んだ。
「……たか、や……っ」
その声に背中を撫でられたみたいな快感が走る。
腰の奥から熱がせり上がるのを、俺も必死で抑えた。
亀頭の下をゆっくりなぞると、愁の腰がびくんと跳ねる。
そのまま指の腹で先端を何度もくるくると撫でると、
短く………
「あ、あっ……」
と声が漏れる。
「まだだよ、愁」
わざとペースを落として、根元まで指を滑らせる。
すると、耐えきれないように腰を押し付けてきた。
可愛い。
もう、限界なのはわかってる。
「イきたい?」
小さく頷く。
頬は赤く、唇は震えている。
「じゃあ……イって…いいよ。」
そう囁きながら、今度は根元から一気にしごき上げる。
親指で先端を押しつぶすように扱くと──
「……っあ、あぁ……っ!」
愁の全身が強張り、次の瞬間、熱い飛沫が俺の手の甲を汚した。
その顔があまりにも幸せそうで、俺は思わず抱きしめた。
「……愁」
耳元で名前を甘く呼びながら、背中を優しく撫でる。
胸の中で、愁は小さく息を整えていた。
まだ、ほんのり震えている。
この震えも、俺のものだ。
腕の中で鼓動が落ち着いていく愁を感じながら、
(……やば、これ想像以上にクル……。)
と、愁の姿を目に焼き付けた。
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